1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:20:58.98 ID:uWGkb6N00
響「そうじゃ、ないけど……」

P「うーん……撮影場所も響の地元だし、喜んでくれると思ったんだがなぁ」

響「………」

P「何かマズいことでもあるのか?」

響「……ちょっと、なー」

P「んー……しかしなぁ」

P「もうチケットも取ってあるし、今更この仕事をキャンセルするわけにもな……」

響「それは分かってるさー。仕事は仕事、ちゃんとやってみせるから!」







4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:22:24.18 ID:uWGkb6N00
P「それならいいんだが……あ、そうそう」

響「?」

P「響、お前のペットの事なんだけど……」

響「あっ……」

P「今回は日帰りって訳にはいかない。流石に沖縄まで連れてけないぞ」

響「いつもなら、自分達だけで留守番させてもなんくるないんだけど……」

響「2日も空けるとなると、ちょっと心配だなー」

P「(……あれだけ飼ってて日空けなきゃ大丈夫なのもすごいな……)」




6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:24:34.94 ID:uWGkb6N00
~翌日~

春香「あぁもう遅刻遅刻ゥ……おはようございまー」ガチャッ

いぬ美「ワンッ」

春香「わぁっ!?」

オウ助「ハイサイ!ハルナントカ!ハイサイ!」バサバサ

ねこ吉「ニャー」

ブタ太「ブー」

ハム蔵「チュイッ」



春香「……ま、間違えました!」ダッ

小鳥「こ、ここでいいのよ、春香ちゃん!」




8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:26:05.86 ID:uWGkb6N00
春香「響ちゃんのペットを、事務所で預かってる!?」

小鳥「……最初は流石にダメだって、律子さんも言ってたんだけどね……」

あずさ「よしよし~」ナデナデ

いぬ美「ハッハッハッハッ」

律子「……ま、まぁ、明後日までなら、何とか……ね」

シマ男「カリカリ」

春香「(……律子さんの肩にシマリスが乗ってる……)」




9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:28:27.23 ID:uWGkb6N00
へび香「シャーボック」

春香「きゃああああっ!?」

雪歩「こら、ダメでしょへび香」ムンズッ





春香「ゆ、雪歩?……だ、大丈夫なのそれ?」

雪歩「えっ、何が?」キョトン

春香「えっ」




11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:29:33.09 ID:uWGkb6N00
ワニ子「………」

春香「わ、ワニまで預かったんですか……」

貴音「響の飼う動物とは、以前より懇意にしていますので……」チラッ

ワニ子「………」ブルッ

貴音「……危険は、ないかと」ニコッ

春香「(何だろうこれは……プレッシャー?)」




12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:31:19.91 ID:uWGkb6N00
やよい「ブタ太ちゃん、カワイイですねぇー!」

ブタ太「ブー」



やよい「……食べちゃいたいくらいです」

ブタ太「ブヒッ」



やよい「………」ジュルリ

春香「だ、駄目よやよい!それは響ちゃんのペットなんだから!」




14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:33:27.56 ID:uWGkb6N00
P「向こうじゃまだ雨で肌寒い位だったが、流石に沖縄ともなると違うなー」

響「(……仕事とはいえ、戻ってくる事になるなんて思わなかったなー)」



P「おう、そういえば響」

響「?」

P「沖縄のビールはマズいって聞いたんだが、ホントか?」

響「……いきなりそんな事聞かれても困るぞ」




15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:35:35.52 ID:uWGkb6N00
P「ホテルに着くのがすっかり遅くなっちまったな……ま、観光に来た訳でもないが」

P「撮影は明日からだ。今日はゆっくり休めよ、響」

響「プロデューサー」

P「ん?」

響「……ううん、何でもない。おやすみ~」

P「おう、おやすみ」



P「……?」




17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:39:15.94 ID:uWGkb6N00
~翌日~

響『――オウ助は一日二回、水を取り替えるんだぞー』

美希「ミキと真君が交代でやってるから、安心してほしいの」

オウ助「メシウマ!メシウマ!」バサバサ

春香「……うん、ちゃんとやってるよー」

ハム蔵「チュイー」

響『あと、うさ江はあんまりベタベタ触らないでやってほしいさー』

春香「……だってさ、千早ちゃん」

ハム蔵「ヂュー」

千早「そ、そんなっ……!」ガーン




18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:42:24.05 ID:uWGkb6N00
伊織「ストレスたまりやすい敏感な動物なんだから、仕方ないじゃない」

伊織「……ねー、ねこ吉♪」ナデナデ

ねこ吉「ゴロゴロ」

響『あとでちゃんと正しい触り方を教えてあげるから……あっ、もう時間だ』

うさ江「…」ササッ

千早「くっ……!」ギリッ

春香「はいはい千早ちゃん、ガマンガマン……それじゃまたね、響ちゃん」

ハム蔵「チュ-チュチュー」

真美「は、はるるん大変だよー!モモ次郎がー!」

真「モモンガのモモ次郎が、窓から外に飛んでっちゃったんだ!」

春香「えぇっ!?」

ハム蔵「チュイ!?」




19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:45:49.21 ID:uWGkb6N00
P「昨日も何度か電話してたみたいだが……やっぱり心配か?」

響「自分の、大事な家族だからなー」

響「……ほら、プロデューサー!さっさと撮影して帰るぞー!」

P「お、おう……」



P「(……何かやけに急かされてるような……)」




20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:49:12.23 ID:uWGkb6N00
カメラマン「くぅ~っ!やっぱ青空の下、浜辺で撮るのが一番やな!」カシャッ カシャッ

カメラマン「この憂いのある表情!コレや!この瞬間もボクぁ待っとったんやぁ!」カシャッ カシャッ

響「………」

カメラマン「……のは、ええんやけど~。もぉちょい笑てくれへんかなぁ?我那覇ちゃん」

響「あっ……ご、ごめんなさい」

スタッフA「……あの変態が被写体にこだわり過ぎてるせいで超時間食ってます」

スタッフB「炎天下の中、レフ板持って突っ立ってる身にもなってほしい訳よ」



P「………」




24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:53:33.30 ID:uWGkb6N00
ブロロロロ……

P「ふぅ、お疲れ。ようやく今日の分は終わったな」

響「うん……ごめんなー、プロデューサー。自分のせいで時間取って……」

P「ま、想定の範囲内さ。明日は最終日、もうひと踏ん張りだぞ」

響「う、うん……」





P「……なぁ、響」

響「?」

P「お前の実家、今なら寄れるぞ」




27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 19:57:21.07 ID:uWGkb6N00
響「………」

P「もうそこまで来てるんだが……どうする?」

響「……い、いいよ……別に」

響「仕事で来てること、知らせてないし……」

P「……そうか」

響「……今度また、ちゃんとした形で会いに行くさー」



響「………」


ブロロロロ……




30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:00:43.46 ID:uWGkb6N00
~翌日~

ガヤガヤ ザワザワ

P「(最終日の撮影も滞りなく終わったが……響の表情は冴えないな)」

P「(うーん……無理にでも実家に連れていくべきだっただろうか)」

響「――うん、今空港だぞー……うん、分かった」

響「プロデューサー、ぴよ子が電話で言いたいことがあるってさー」スッ

小鳥『プロデューサーさん!お土産はちんすこうですよ、ちんすこう!』

P「……別にいいですけど、太りますよ。あれ、ラードで出来てんですからね」

小鳥『ぐっ……!』




32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:04:28.34 ID:uWGkb6N00
千早「………」タラリ

うさ江「…」

千早「……う、動かないでね……」スッ



うさ江「…」ササッ

千早「うぅっ……な、何故……」ガクッ

美希「千早さん、うさ江に迫る時の顔が怖いの」

オウ助「ネェ、ドンナキモチ?ネェ、ドンナキモチ?」バサバサ

千早「………」ギロッ

オウ助「デモンズウォール!オェー!オェー!」バサバサ




33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:07:20.88 ID:uWGkb6N00
やよい「……に、肉……」ダラー

ブタ太「………」タラリ

小鳥「亜美ちゃん、真美ちゃん!」

亜美「がってんでぃ!」ガシッ

真美「はいはい、ダメだよーやよいっち」ガシッ



やよい「は、離してくださぁいっ!目の前に、肉が!肉があるんですっ!!」ズルズル




34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:10:42.48 ID:uWGkb6N00
ガチャッ

P「ただいまー」

響「みんなー!ただいまだぞー!!」

いぬ美「ワンッ」ペロペロ

響「あはは、くすぐったいぞいぬ美ー!」

響「ちゃんと大人しくしてたか、みんなー?」

ブタ太「ブヒー」スンスン

オウ助「ハイサイ!ヒビキン!ハイサイ!」バサバサ

ねこ吉「ニャー」ピョン

伊織「あっ、ねこ吉……」

春香「やっと響ちゃん、帰ってきたねー」

ハム蔵「チュイー」

響「仕事の間、世話してくれてありがとなー!」




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:12:48.82 ID:uWGkb6N00
あずさ「これでお別れだと思うと、ちょっと寂しくなりますね~」

いぬ美「ワンッ」

律子「そうですねぇ……フン掃除やらゴミの処理やら、大変でしたけどね」

シマ男「カリカリ」

雪歩「グスッ……またね、へび香」

へび香「シャーボック」

貴音「機会があれば……また、戯れましょう」

ワニ子「………」ビクッ




39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:16:10.25 ID:uWGkb6N00
響「それじゃプロデューサー、お先にお疲れ様さー」

P「おう。また明日な、響」

響「さぁみんな、家に帰るぞー!」

バタバタバタバタ……





千早「……い、一度も触れなかった……」ガクリ




40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:19:31.61 ID:uWGkb6N00
P「さーてみんな、お待ちかね。沖縄土産だぞ~」

亜美「おー、兄ちゃん待ってました!」

真美「ヒューヒュー!」

小鳥「ちんすこう!ちんすこうは!?」ガタッ

貴音「沖縄そばは、あるのでしょうかっ」ズイッ

真「ぼ、ボクが頼んでおいた、さーだー……えっと」

春香「さーたーあんだぎー」

真「そう、それ!ありますよねっ!?」

P「(どんだけがっつくんだよこいつら……)」




42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:21:48.16 ID:uWGkb6N00
P「んー、じゃあまずは欲が突っ張ってないやよいからだ」

やよい「わ、私ですか?」パァァ

P「ほら!ラフテー、豚の角煮だ!」スッ

やよい「!!!」



やよい「……あ、あぁぁ……」ガクガク

P「?……どうしたやよい?」

やよい「わ、私……響さんに、とんでもない事を、しようと………!」ガクガク

P「えっ?」




44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:27:57.74 ID:uWGkb6N00
響「はぁ~……家に帰ったら、どっと疲れたな~」ボフン



響「……今の自分には、ハム蔵達がいるんだ」

響「別に、寂しくなんか……」

ハム蔵「チュッ?」

響「…」



響「…」ゴシゴシ

ハム蔵「?」




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:30:00.29 ID:uWGkb6N00
響「……ごめん、ハム蔵。ちょっと、一人にしてほしいんさー」

ハム蔵「チュ-」トコトコ



響「…」

ポパピプペ


prrrr prrrr prrrrr....

響「………」ゴクリ




48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:33:21.36 ID:uWGkb6N00
prrrr prrrr prrrr....

響「………」


ガチャッ


響「!」

響「……あ………にぃに?………うん」

響「……ううん………そ、そんなんじゃないぞ」

響「うん、元気……そっちは?……そ、そっか……」

………

……





51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:37:33.64 ID:uWGkb6N00
~翌日~

高木「この黒糖のかりんとう、美味いねぇ」サクサク

P「これ出した時、どうしてだか知りませんけど全員にドン引きされたんですよね」

高木「ふむ……あぁ、私は好きだよ。何せ、黒いからね」サクサク


ガチャッ

響「プロデューサー!モモ次郎見なかったか!?」

P「モモ次郎って……モモンガのか?」

響「あいつ、こないだ外に飛び出してから行方不明らしいんだ……自分が探してやらないと!」




52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:40:57.15 ID:uWGkb6N00
響「おーいモモ次郎ー!どこだー!」

P「外に飛び出してったんだろ?社長室で叫んだって……」

響「モモ次郎ー!」


ボトボトッ


高木「……ん?」サクサク

P「?何かが上から落ち……うげっ!?」ガタッ

高木「か、かりんとうに!私のかりんとうがっ!!」ガタタッ

響「モモ次郎ー!そこにいたのかー!!」




53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/12(火) 20:46:53.07 ID:uWGkb6N00
響「飛びながらフンを落とすなって、いつも言ってるじゃないかー、もー」ナデナデ

P「……ま、まぁ、見つかってよかったな、響」

響「うん!」

響「どこにいたって、自分の大事な家族に変わりないさー!」





小鳥「……お、おいしかったから、つい食べ過ぎて……」ウップ

小鳥「い、胃が……胃もたれが………おぇっ」



おわり