1: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:12:57.58 ID:dqOOdpcDO

P「端的に状況を説明しよう」

P「別に焦っていたわけではないんだ。むしろ落ち着いていた」

P「たしかにここは焦りとともにやって来る場所だ。万人が腹に黒い不浄なる物を抱えて駆けこむ場所だ」

P「しかし一度そこに身を落ち着けると、四辺の真っ白な無垢なる壁が、その不浄ごと優しく俺を包み込んでくれる…」

P「そして、俺のその汚れを、優しく受け取ってくれるんだ。ゆえにそのときの俺は落ち着いていた、間違いなく」



千早「……あの」

千早「なぜプロデューサーが女子トイレにいるのかを、端的に、説明するのでは?」

P「焦っていたんだ」

千早「先ほどは落ち着いていたと言っていましたが」




2: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:14:38.50 ID:Maoo3uU3o

千早「理由如何によっては、プロデューサーをインフェルノしてもよいのですが」ゴゴ

P「お、落ち着け千早! インフェルノは動詞じゃないぞ!」

千早「…なんでもいいです」ハア

千早「いいから、早く出て行ってください。お願いですから」

P「そ、そうしたいのは山々なんだが」

P「…実は、その、…拭く前にパンツを履いてしまってな」

千早「は?」

P「ゆ、油断していたんだ」

千早「なにからですか」

P「なんだろうなあ」ハハッ

千早「…プロデューサー…」ゴゴゴ

P「落ち着くんだ千早!」

千早「私はこの上なく落ち着いています」


3: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:15:44.37 ID:dqOOdpcDO

P「た、頼む。このまま外に出ると、事務所での俺の名誉に関わる!」

千早「今さら気にするほどの名誉もないと思いますが」

P「あだ名がう○こ野郎とかになっちまう!」

千早「知ってたんですか?」

P「なにを?」

千早「……何でもありません」

P「……俺はちーちゃんのことを信じてるぞ」

千早「台詞が完全に犯罪者のそれですが」


4: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:17:52.79 ID:Maoo3uU3o

P「そのことはあとで詳しく聞こう」

千早「はあ」

P「頼む。替えのパンツを持って来てくれないか」

千早「いやです」

P「頼む!」

千早「コンビニで買って来いと? そんなことできるはず…」

P「違う。俺の鞄に替えのパンツが入っているんだ。それを取って来てくれ」

千早「…………」

P「と、泊まりで仕事をするときのための替えだぞ!」

千早「なにも言っていませんが」


5: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:20:23.29 ID:dqOOdpcDO

P「な、なあ頼むよ。一生のお願いだ。この通り!」パンッ

千早「……プロデューサー」

P「なんだ?」

千早「…たしか先日も、プロデューサーの一生のお願いを聞いたところだと思うのですが」

P「ソウダッタカ」

千早「はい」

P「……ああ思い出した、たしか一昨日――」

千早「な、内容は言わなくていいですから!」//

P「そう?」

千早「そ、そうです」ゴホン

P「いやーあのときの千早は可愛かっ  千早「言わなくていいです!」


6: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:22:42.31 ID:Maoo3uU3o

P「わ、分かった。じゃあ、取って来てくれたら、千早の言うことを一つ、何でも聞いてやろう」

千早「ほう」ピク

P「…どうだ?」

千早「…」ハア

千早「分かりました。こうしていても、時間の無駄ですし」

P「おお! さすがちーちゃん!」

千早「…その、ちーちゃんと言うのは、やめてください」

P「恥ずかしいのか? ん?」

千早「取って来ませんよ」

P「ごめんなさい」


7: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:24:58.97 ID:dqOOdpcDO

千早「それに」

P「ん?」

千早「…プロデューサーが早く出てくれないと…その」モジ

千早「わ、私も、トイレに用があって来たわけですから」

P「……?」

P「あ、ああ。そりゃそうだ」

千早「は、はい」

P「なんだったら俺は気にしないけどな!」

千早「私が気にするんです!」バンッ

P「ひぃっ! か、壁ドンするんじゃない!」ビクビク

千早「と、取って来ますから、大人しく待っていてください!」バタンッ

P「り、了解」


8: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:25:48.04 ID:Maoo3uU3o

ガチャ


小鳥「……」カタカタ…

千早「…」

千早「(事務所には音無さんだけ…さすがに、何も言わずにプロデューサーの私物を漁るのはまずいわよね…)」

千早「(素直に、一言声をかけよう)」


9: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:27:27.42 ID:dqOOdpcDO

千早「あの、音無さん」

小鳥「? あら千早ちゃん。どうかした?」

千早「えっと、プロデューサーに、頼みごとをされて。ちょっと鞄を取りますね」

小鳥「そう。分かったわ」

千早「」ホッ

千早「では…」ガサ

千早「(…何だか、男の人のパンツを探して鞄を漁るなんて…妙な気分ね)」ガサガサ

小鳥「なにか荷物を頼まれたの?」カタカタ

千早「え、あ、はい」ドキ

小鳥「書類か何かなら、机の上にあると思うけれど…」カタカタ

千早「あ、いや、その」アセ

小鳥「??」


10: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:29:27.37 ID:Maoo3uU3o

千早「(ま、まずいわ。こうなったら、何か別の物をひとまず取り出して…)」ガサ

千早「……」

千早「(ど、どうしてパンツばかり入っているのかしら…)」ガサガサ

小鳥「千早ちゃん?」

千早「ひゃいっ!?」

小鳥「あ、ごめんなさい。驚かせるつもりじゃなかったんだけど…」

千早「い、いえ」ドキドキ

千早「(へ、変な気分になっている場合じゃないわ…落ち着きましょう)」ハー…

小鳥「探し物はあったかしら?」

千早「え、えっと…その…」ゴソ

千早「?」


11: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:32:08.35 ID:dqOOdpcDO

千早「(…これ、なにかしら…服?)」

千早「! …っ」

小鳥「?」

千早「あ、あの。ちょっと見つからないので」パタン

千早「鞄、そのまま持って行きますね」

小鳥「え、ええ。そうね、その方がいいかも…」

千早「し、失礼しますっ」タタッ

バタンッ

小鳥「?? …なんだか様子がおかしかったような気も…まあ、大丈夫よね。仕事に集中しないとー」ウン


12: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:34:52.27 ID:Maoo3uU3o

ガチャ


P「お」

千早「はーっ…はーっ…」

P「おかえり千早! 待ちわびたぞ!」

千早「……ぷ、プロデューサー…」ハァ、ハァ

P「ど、どうかしたか?」

千早「目を見て話しましょう。戸を開けてください」

P「え? い、いや、それはだめだって。臭うぞ、今の俺」

千早「私は気にしません。早く言う通りにしてください」

P「は、はい」カチャ


13: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:37:17.66 ID:dqOOdpcDO

千早「これはなんですか」

P「……ん、メイド服だな」

千早「なぜこんなものがプロデューサーの鞄に?」

P「そりゃちーちゃんに着てもらおうと思って。変なこと聞くなあ」ハハ

千早「……」ハア

P「この前の水着もよかったけどな!」

千早「も、もうその話はいいですから!」//

千早「…ひょっとして、私にこれを見つけさせるために、わざと…?」

P「さあ」

千早「……もう…ほんとに、この人は…」ハア


14: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:38:29.01 ID:Maoo3uU3o

P「なあ千早」

P「ひょっとして、これは一体だれのための服かと勘繰ったか?」

千早「……そんなことはありません」

P「にやにや」

千早「叩きますよ?」

P「喜んで!」

千早「」バシ

P「ああんっ」

千早「…」ゲシゲシ

P「ぐ、あ、足は痛いっ、ちょ、まっ」


15: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:39:15.85 ID:dqOOdpcDO

P「し、嫉妬したらどんなに可愛いかと思って…」ボロ

千早「死んでください」

P「すいませんでした」

千早「……まったく」

スッ

千早「……」

P「安心しろよ。俺が千早以外の誰かに、こんな服を持ってくるわけないだろう?」ナデナデ

千早「……用を足したままの手で触れないでください」

P「冷たいなあ」

千早「プロデューサーでなければ、ちょっとでも触れさせていません」

P「そうか」


16: ◆iSYdJPmEVI 2013/04/30(火) 17:41:02.64 ID:Maoo3uU3o

P「あ、それともう一つ」

千早「まだなにか?」

ペロ

千早「ひぅっ」

P「事務所には小鳥さんがいるからなあ」

P「こうしたら、二人きりになれるかと思って」

千早「…ま、まだお昼ですよ? それに、ここは女子トイレで…」

P「俺はもう仕事済んだし。今はみんな出てるし」

千早「……」

P「なあ千早! 頼むよ、一生のお願いだから!」

千早「……もう…プロデューサーは、…」ハア

千早「い、いいですけれど。つまりプロデューサーは、…その…一生私と、いてくれるんですよね?」

P「もちろんだ!」

千早「……ふふ」

千早「まあ、私の方こそ、プロデューサーを一人にはしませんけれど」ニコ




おわる


17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 17:48:42.83 ID:ITBYv1f00

続く


18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 17:51:44.95 ID:psOMMq7l0

乙!
これは良いものだ


19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/04/30(火) 18:08:30.53 ID:z40e+6wL0


シュールな惚気だった


引用元: P「油断した」