元ネタ→カウボーイビバップ-Wikipedia


1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:06:28.73 ID:bMjGNJQG0

律子「じゃあこの壊れた事務所……どうするんですか?」

スパイク「……元からボロかったじゃねえか」

律子「なんですって!?」

ジェット『あー、スパイク、聞こえてるか?』

スパイク「ああ」

ジェット『まぁ、観念するんだな。賞金首には逃した挙句、マシンで建物に突っ込むなんてな』

スパイク「勘弁してくれよ……」


2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:13:28.40 ID:bMjGNJQG0

ジェット『てめえで起こした事故だ。自分のケツくらい自分で拭け。
      母ちゃんに習わなかったのか?』

スパイク「生憎、そんな記憶はねえよ」

律子「……なるほど。お金は払わなくてもいいわよ。ただし」

スパイク「……?」

律子「ちょうど、今の事故で怪我したのがうちのプロデューサーなの」

律子「あなたにはここでプロデューサーの代わりをしてもらいましょう!」

スパイク「俺が!? 冗談じゃねえぞ!」


3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:18:29.89 ID:bMjGNJQG0

フェイ『なあに? あんた餓鬼のお守りするの? あはははは! いいわねぇ!』

スパイク「ぐぬぬ」

エド『プロデューサー? わーい! プロデューサー!』

ジェット『ま、こっちはゆっくりお前さんが逃がした賞金首の情報を追うとするさ』




――数日前、ビバップ号――

ジェット「で、今度の獲物なんだが」


4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:24:30.86 ID:BlG3rU33P

すげえクロスだな


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:25:03.56 ID:bMjGNJQG0

スパイク「悪徳又一? また、いかにも名前だな」

ジェット「なんでも、どっかのヤクザまがいの連中を起こらすゴシップ記事を書いちまったそうでな」

ジェット「それで賞金が出た、というわけよ」

スパイク「いくら?」

ジェット「ほれ」

スパイク「ほう……チョロいもんさ」

ジェット「場所は地球のアキバ付近らしい」

スパイク「だったらすぐに行かないとな」


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:30:49.09 ID:bMjGNJQG0

スパイク「先を越されたら溜まったもんじゃないからな」

ジェット「ああ、だが、奴はコンピューターウイルスだのなんだのに精通してるらしくってな」

ジェット「そいつを食らうとマシンが言うことを聞かなくなっちまうらしいんだ」

ジェット「で、問題はそのウイルスを撃ってくるブツがわからんのだ」

ジェット「……って、おい! スパイク!? スパイクー!」

エド「もう行っちゃったよー?」

ジェット「……どうなっても知らんぞ、俺は」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:37:57.13 ID:bMjGNJQG0

――現在、ビバップ号――


ジェット「ま、言わんこっちゃ無いわな」

ジェット「とりあえず、マシンを直してやりながら、地球に滞在しているスパイクに
      情報収集も兼ねてもらうか」


――――


――765プロ事務所――

律子「と、言うわけで、代理のプロデューサーをしてくれることになった
    事務所に突っ込んできたスパイク・スピーゲルさんです」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:41:02.24 ID:bMjGNJQG0

スパイク「……よろしく」

真美「おお~! 今度の兄ちゃんはなんだかもじゃもじゃさんだね!」

スパイク「……餓鬼は嫌いなんだよ」

あずさ「ふふ、そうですか?」

あずさ「まずはみんなのこと。知ってみてもらってもいいんじゃないですか?」

スパイク「じゃ、あんた。なんでまたこんな所でアイドルなんてやってるんだ?」

あずさ「私は短大を出てから、なんとなく……ですね」

スパイク「へぇ……」


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:46:45.92 ID:bMjGNJQG0

律子「はい、これみんなの資料です。ちゃんと覚えてあげてくださいね」

スパイク「……はぁ。へいへい」

響「ねえねえスパイク! スパイクは普段何やってるんだ?」

スパイク「……色々とな」

響「……色々? ねえ、例えば?」

貴音「言えない、ということでしょうか?」

スパイク「危険な仕事なだけだ。恨みを買うこともある」

貴音「わたくしも人には言えないことがありますので」

響「貴音は多すぎだぞ……」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:50:31.24 ID:bMjGNJQG0

千早「なんだか近寄りがたい人ね」

春香「そうかなぁ?」

千早「まぁ春香はそうでしょうね」

真「危険な仕事……人には言えない! く~! なんかカッコいいよね!」

雪歩「うぅ……また男の人ぉ」

美希「ふぅん……ま、美希は寝るの」

やよい「うっうー! これからよろしくお願いします!」

スパイク「……あぁ」

スパイク「はぁ……。帰りてえ」

律子「だめですよ! えっと、今回は私が選ばせてもらいますね。
    あなたのプロデュースする女の子は>>20です」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:55:46.34 ID:UjJ3lxCe0




21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 15:59:28.80 ID:bMjGNJQG0

律子「響よ」

響「自分!? 本当か!? やったなハム蔵!」

ハム蔵「ヂュイ!」

スパイク「ああ、よろしく」

響「うん! よろしくね! スパイク!」

律子「それじゃあ今から二人で、オーディションに行ってきてもらえるかしら?」

響「なんくるないさー! よし、ほら、行くよスパイク!」

スパイク「お、おい……引っ張るなって!」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:04:12.85 ID:bMjGNJQG0

――オーディション会場――

響「……うぅ、ごめんなさい」

スパイク「まさか、電車の乗り方を知らないとはな」

響「自分電車ってすごい苦手なんだ……なんかこう、入り組んでるでしょ?」

スパイク「確かにこの駅のは複雑だった。俺もいつもマシンに乗ってるからな」

響「ねえねえ、あの事務所に乗ってきた飛行機っていつも乗ってるの?」

スパイク「まあな。だからこんな移動なんてのは久しぶりだ」

響「ふーん」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:09:37.19 ID:bMjGNJQG0

ハム蔵「チュチュイ!」

響「え? あっ! もうすぐオーディション始まるって!」

スパイク「そのちっこいの……なんとかなんねえのか?」

響「え? ハム蔵のこと? えへへ、可愛いだろう?」

響「まぁ、スパイクの言うマシンと同じで自分にとっては相棒って感じなんだ!」

スパイク「悪いがその珍獣と俺のマシンを同列に考えるのはやめてくれ」

響「ハム蔵は珍獣なんかじゃないぞ! ハムスターだぞ!」

スパイク「俺はケダモノが嫌いなんだよ」

響「……むー、スパイクには後で絶対にわからせてあげるからね!」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:14:46.85 ID:10CG/c2GO

信じられないコラボというかクロスというか…だが声と絵が浮かんでくるのぅ


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:14:48.98 ID:bMjGNJQG0

響「……」

スパイク「どうした」

響「じ、自分、こういうオーディションってすごい久しぶりだから……」

響「そ、その……き、緊張しちゃって……」

スパイク「えっと、確か今回のオーディションは……バラエティ番組のレギュラーねぇ」

響「ね、ねえ! じ、自分の良い所、教えて!」

スパイク「そんなもん、ついさっき会ったばかりの人間に聞くな」

スパイク「俺は知らん」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:19:11.65 ID:bMjGNJQG0

響「確かにそれもそうだよね。ごめん」

スパイク「そんなもの、お前自身が一番わかってるはずだぜ」

スパイク「自分のことなんだ。わかるだろ? 他人に聞かなくたって」

響「う、うん。自分……頑張るよ! ありがとうね、スパイク!」

響「あ、でも絶対に動物達の良さはわからせてあげるぞ!」

響「じゃあ、行ってくる!」タッ

スパイク「……勘弁してくれよ」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:25:30.47 ID:bMjGNJQG0

…………
……



響「……だめだったぞ」

スパイク「そうか。ま、縁がなかった。それだけだ」

響「自分、今回の番組は動物を取り扱う番組だったからすごく出たかったんだぞ」

スパイク「仕方がない。諦めろ」

響「……どうして、そんなさらっと言えるんだよ! もっと、こう慰めてもいいだろ!?」

スパイク「慰めたら……何か変わるのか?」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:31:58.17 ID:bMjGNJQG0

響「か、変わらないけど……」

スパイク「じゃあ何も意味はない」

響「うっ……うぐ……」グス

ハム蔵「ヂュイ~~!」

スパイク「睨むな。お前が俺を攻めたって、何も変わりはしない。だろ?」

ハム蔵「……チュイ」

スパイク「響。ありのままの自分を出してきたんだろ?
     だったら何も後悔することはない。全部出しきって、
     それでもダメだったんだ。今日はもう帰ろう」


響「うん……」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:37:29.85 ID:bMjGNJQG0

――次の日――


律子「今日はレッスンに行ってもらいます!」

スパイク「俺は何も教えられないぞ。だから今日はここにいてもいいんだな?」

律子「昨日、響を泣かせたそうですね?」

スパイク「っ……」

律子「貴音から聞きました」

律子「レッスン、一緒に行きますよね?」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:43:24.02 ID:bMjGNJQG0

スパイク「あれは俺のせいじゃ」

律子「あー、昨日、響のこと泣かせておいて、謝りもしてないんですかーー!?」

スパイク「なっ……おい!」


ザワザワ……

律子「かわいそうに!! あー! 可哀想!」


「響を泣かせた?」
「一体何したの?」
「やっぱり男の人って怖い……」
「許すまじ、ああ、愛しき我が響」
「あーあ、兄ちゃん最低っしょ」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:49:45.83 ID:bMjGNJQG0

スパイク「だーっ! わかったよ! 行けばいいんだろ?」

スパイク「場所は?」

律子「はい、これが地図です」

律子「あの子、ああ見えても結構泣き虫な所、あるからちゃんと謝ってくださいよ」

スパイク「……」


――レッスンスタジオ――


響「……っ、よっ」タンタンッ


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 16:55:21.24 ID:bMjGNJQG0

スパイク「よお」ガチャ

響「あ、……スパイク」

響「来てくれたんだ」

スパイク「事務所の鬼がうるさくてな」

響「律子? えへへ、スパイクも律子に怒られたのか?」

スパイク「別に。そうじゃないさ」

スパイク「レッスンは一人で?」

響「今日は……ね。いつもはトレーナーさんがいるんだけど」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 17:00:18.28 ID:bMjGNJQG0

響「自分はダンスの振りは全部覚えてるから、今日はそれの仕上げ」

響「こうやって鏡を見ながら自分の動きを確認するの」

スパイク「へぇ」

響「よっ、……っ!」タンタンッ タタンッ

スパイク「なぁ」

響「自分、昨日のことはもういいよ」

スパイク「……」

響「だって、別にスパイクは間違ったことを言ってなかったし」

響「自分、少し甘かったのかも」タタンッ タンッ


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 17:07:39.57 ID:bMjGNJQG0

響「でも、いつか完璧にこなしてみせるからね」

スパイク「ああ」

響「ねえ、自分の踊り……どう? 完璧?」

スパイク「さあな。俺にはわからん」

響「そっか、じゃあ見ててね!」

響「~♪ ~~♪」タタンッ タタンッ

スパイク「器用なもんだな」

………
……




響「今日はありがとう! 付きあわせちゃってごめんね」


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 17:13:28.60 ID:bMjGNJQG0

スパイク「気にするな。あの事務所でガミガミ言われるより
     よっぽどいい光景だったさ」

響「そ、そっか。えへへ」

スパイク「ああ、じゃ、またな」

響「ねえ! 今日、うちに来ないか?」

スパイク「はぁ?」

響「ご飯、作るからさ!」

響「ね、お願い! 一回でいいからさ!」


41: もう安価はないよ? 2012/12/16(日) 17:18:34.41 ID:bMjGNJQG0

スパイク「……あんまり気乗りはしねえな」

響「えへへ、なんくるないさー! ほら、行くよ!」

スパイク「だから引っ張るなっての!」



――響宅――


響「ただいまーーっ!」ガチャ

スパイク「げぇっ!?」


ワンワンッ ニャー
ブーブー チュイッ


スパイク「な、なんだこりゃぁ!?」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 17:24:08.65 ID:bMjGNJQG0

響「ほら、遠慮しないであがっていいよ!?」

スパイク「いや、やっぱり俺は今日はもう帰るわ」

スパイク「疲れたし」

響「何言ってんだよ、ここまで来ておいて」

響「ほらほら」

スパイク「お、おい……いいか。俺はケダモノが嫌いなんだって言ったよな

?」

響「うん、だから今日はそれを直してあげようと思って」

スパイク「余計なお世話だ!」


44: 一人に絞りたくて安価使っただけです 2012/12/16(日) 17:30:28.22 ID:bMjGNJQG0

スパイク「だいたいなんだこのミニ動物園は!」

響「えへへ」

スパイク「褒めてねえよ」

響「ささっ、入った入った」グイグイ

スパイク「おい……!」

いぬ美「バウッ」

スパイク「寄るな!」

響「えへへ、みんな歓迎してくれてるんだぞ」

スパイク「……ああ、そうかよ」


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 17:36:56.91 ID:bMjGNJQG0

響「今、準備するからちょっと待っててね!」

スパイク「なるべく、早くしてくれ」


『……イ……。ザザー。スパイク。おい、聞こえるか、スパイク』


スパイク「ジェットか? 何かわかったのか?」

ジェット『ああ、奴は現在は裏を逃げ回っているみたいだな』

ジェット『だが、東京近郊にいるはずだ。気を抜くな』


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 17:40:20.82 ID:bMjGNJQG0

ジェット『それとソードフィッシュに入ったウイルスを解析した所、
     拳銃から打ち込むタイプらしい』

ジェット『だから、奴が拳銃を出してきた時は気をつけろ』

スパイク「ああ、わかった」

ジェット『どうやらマシンだけじゃなくて人間にも効いちまうタイプらしい



ジェット『ちょっとでも当たったら脳みそをぐちゃぐちゃにかき回されるぞ



スパイク「おっかねえな……ったく」

ジェット『また何かわかれば連絡する』

スパイク「ああ、頼む」


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 17:45:33.09 ID:bMjGNJQG0

響「誰と電話してたんだ?」

スパイク「同僚さ」

響「ふーん、例の言えないお仕事の?」

スパイク「まぁな」

響「そっか。よーし、みんなーご飯できたぞー!」

響「はい、いぬ美のはこれで、ハム蔵のはこっち」

響「ねこ吉のはこれで、ブタ太のはこれで……」

響「で、スパイクと自分のがこれだぞ!」

スパイク「……鍋?」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 17:51:22.56 ID:bMjGNJQG0

響「自分、お鍋持ってるんだけどなかなかやれなくてさ」

響「あ、違うぞ! 事務所のみんなも忙しいから一緒にできないだけだからな!」

響「別に、スパイクとした方わけじゃないんだからね!」

スパイク「わかってるよ……」

響「えへへ……じゃ、じゃあいただきます」

スパイク「いただきます」

響「ねえ、自分、昨日のオーディション何がいけなかったのかな?」


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 17:56:01.02 ID:bMjGNJQG0

スパイク「さあな。タイミングが悪かったのかもな」

響「タイミング?」

スパイク「ああ、何事においても重要なタイミングがある」

スパイク「そいつを履き違えると、必ず失敗する」

スパイク「世の中タイミングさ」

響「ふーん、自分にはあんまりわからないぞ」

スパイク「そのうちわかるさ」

………
……



響「じゃあ、また自分の家に遊びに来てね!」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:01:20.74 ID:bMjGNJQG0

スパイク「遠慮しとくよ」

響「もう! なんで!?」

スパイク「苦手なんだよ」

響「そうかなぁ? だってみんなご飯食べてるから大人しくしてたぞ」

スパイク「そう言う問題じゃねえんだよ」

響「あ、ねえ送っていかなくて平気?」

スパイク「付いてこなくていいよ。お子様はもう寝る時間だ」

響「そっか……。ねえ次はいつ来てくれる?」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:05:42.59 ID:bMjGNJQG0

スパイク「もう二度とこない」

響「……むー、じゃあどうしたら来てくれるんだ?」

スパイク「動物がいなくなったら」

響「うぎゃー! それは無理だぞ!」

響「ま、まさか……ふたりきりがいいのか!?」

スパイク「はあ!? んなこと言ってねえだろ!」

響「そ、そういうのは、ま、まだだめだぞ!」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:10:24.02 ID:bMjGNJQG0

響「な、なんというか、そ、その……えっ●だし」

響「ば、ばかーー! もう知らない!」

響「じゃあね! おやすみ!」


バタンッ!!


スパイク「はぁ……? なんだ急に?」

スパイク「……やっと帰れるのか」


……


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:16:40.43 ID:bMjGNJQG0

……

「……あ、あいつは!」

「ん? 今、家に入ってったのは……確か」

「なんであそこから……? ほほう、なるほどね」

「宇宙に逃亡しようと思って買ったマシンもお釈迦にされちまったし、
 まぁ、逃げられたからいいが……」

「しっかりと借りは返してやらなくちゃな……へっへっへ」

……


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:20:37.56 ID:bMjGNJQG0

――数日後――


スパイク「ジェットの野郎、まだ見つからねえのか」

スパイク「……ったく」

律子「あら、今日は、フェスに参加してもらうわよ」

スパイク「フェス?」

律子「ステージでのバトルよ」

律子「今日はあなたのプロデュースする響が参加するからそれに着いて行ってあげて」


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:26:23.81 ID:bMjGNJQG0

律子「響自身は何回か参加してるから、ノウハウはわかるはず」

スパイク「じゃあ俺は着いて行く必要はないんじゃ」

律子「早く行ってきてください」

スパイク「わーったよ。しょうがねえ」

スパイク「んじゃ、行ってくるか」ガチャ



――フェス会場――

響「あうー、や、やっぱり緊張してきたぞ」

響「スパイク遅いなぁ」


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:30:54.03 ID:bMjGNJQG0

響「どうしよう……今日もまた失敗したら……」

響「い、いや、だめだぞ! 絶対に諦めない!
  全力を出しきればいいんだ! 自分らしく!」

ハム蔵「チュチュイ!」

響「えへへ、ありがとう!」


「我那覇さーん、事前の打ち合わせがありますのでいいですかー?」


響「はーい! じゃあちょっと行ってくるね、ハム蔵」


…………
……



スパイク「ん? 響は?」


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:35:27.93 ID:bMjGNJQG0

ハム蔵「チュチュイ!」

スパイク「またお前か、珍獣……」

スパイク「お前じゃなくてお前のご主人に用があるんだよ俺は」

ハム蔵「チュチュイ! チュイ! チュイ~~!」

スパイク「何だそのジェスチャー?」

「あのー、我那覇さんはいらっしゃいますか? 事前の打ち合わせがしたのですが?」

スパイク「あぁ、えっとー……」

ハム蔵「ヂュイ!? チュヂュイ!」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:40:15.80 ID:bMjGNJQG0

スパイク「あぁ? ついて来いって? 俺に命令するな」ダッ

スパイク「どこ行ったんだ……!」


「うぎゃー! 放して!」
「おら! 早くこの車に乗れってんだ!」


スパイク「響!? あっちか!」

ハム蔵「チュイ!」



悪徳「へっへっへ、あばよ!」ブロロロロ

響「スパイクーー! 助けてーー!」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:43:58.78 ID:bMjGNJQG0

スパイク「チッ、ジェット! おいジェット! 悪徳だ!」

ジェット『何ぃ!? 場所を送ってくれ。こっちも向かう』

スパイク「ソードフィッシュはどこだ!」

ジェット『お前が昨日のうちに送っとけなんて言うもんだからな。
      言われた通り、そこの会場の駐車場に送り停めてある』

スパイク「わかった!」

ハム蔵「……チュイ」

スパイク「何してんだ珍獣! 一緒に来い!」

ハム蔵「……ッ! チュ、チュイ!」


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:47:12.72 ID:bMjGNJQG0

…………
……



響「降ろしてよ! 自分これからフェスに出なくちゃいけなくて……!」

悪徳「へっへっへ、お宅、765プロなんでしょう?
    竜宮なんとかで最近稼いじゃってるらしいからね」

悪徳「そのお金をがっつり身代金として要求しちゃうからね」

響「うぅ~……じ、自分がドジだから……こんなことに」

響「う、うぐっ、……うぅっ」



ズガガガガガガ!!


悪徳「な、なんだ!? このマシンガン……!」

スパイク「見つけたぜ!」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:52:09.37 ID:bMjGNJQG0

響「スパイク!」

スパイク「さっさと停まりな!」


ズガガガガガガ!


ハム蔵「チュイチュイ!」

スパイク「あぁ!? 響がいるから撃つな!?」

スパイク「じゃあどうしろってんだよ」

ハム蔵「チュイチュイ! ヂュイ!」

スパイク「だーっ、乗せんじゃなかったぜ」


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 18:56:28.69 ID:bMjGNJQG0

悪徳「チッ、これでも喰らいな!」バッ



『奴が拳銃を出してきた時は気をつけろ』


悪徳「おらっ!」

バンッ!



スパイク「……っ!」


ぐるんっ

ハム蔵「ヂュイ~~!」


悪徳「避けられた!? くそ!」


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 19:00:40.23 ID:bMjGNJQG0

悪徳「だったらこの……!」

ガシャンッ


悪徳「ホーミングタイプのウイルス弾ならどうかな!?」


バシュゥゥッ!


スパイク「なっ……んの野郎!!」


ドガァンッ


悪徳「へっへっへ! 当たったぜ!」


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 19:03:03.86 ID:bMjGNJQG0

悪徳「ざまぁねえな!」

響「う、うぎゃーー! 前!! 前!!」

悪徳「な、なんだこのマシンは!」

フェイ「はーい、停まってー? そこまでよ」

……

スパイク「ジェット! 不味い、またウイルスに感染した」

ジェット『またか! 今そっちにはフェイが向かったが……』

ジェット『何やってんだ! って、こっちもか!』

……

フェイ「ちょ、ちょっとやだ! なにこれ! マシンが! 勝手に!」ぐわんぐわん

悪徳「おら、車降りてこっち来い!」グイ

響「い、痛い! 痛いってば!」

悪徳「喚くんじゃねえ! おら、こっちだ!」


74: 保守ありがとうございます 2012/12/16(日) 19:42:50.97 ID:bMjGNJQG0

スパイク「だめだ、ジェット、一回どこに不時着する!」

ハム蔵「チュイ! チュチュイ!」

スパイク「はぁ? あっちの方角にしろって!?」

スパイク「あっちはお前の家の方……一体どうするんだ」


ゴォォオオ……!

ガガガガガガ……。


ハム蔵「チュイッ!」バッ

スパイク「あ、おい! どこ行くんだ! ったく、だからケダモノは嫌いなんだよ!」


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 19:45:05.79 ID:bMjGNJQG0

ハム蔵「……!」タッタッタッタッ

スパイク「響の家……?」

スパイク「……」ガチャ


ハム蔵「チュチュイ! チュイチュイ!」

いぬ美「バウッ!」

へび香「シャー!」

ねこ吉「ニャー!」

ブタ太「ブー!」


77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 19:46:36.01 ID:bMjGNJQG0

ゾロゾロ……。



スパイク「おい、お前らまさか……」

スパイク「……しょうがねえ。よし、ケダモノ達、自分のご主人の匂いくらいはわかるな?」

スパイク「まだこの近くにいるはずだ。全員で取り返しにいくぞ」


…………
……



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 19:50:49.44 ID:bMjGNJQG0

悪徳「はぁ……はぁ……よし、とりあえずこの廃工場に隠れよう」

響「は、離せ! 何をしても無駄だからな! 悪いことしたら捕まるんだぞ!」

悪徳「冗談じゃねえ!」

響「今に見てろよ! きっとスパイクが助けに来てくれるんだからな!」

悪徳「ただでさえ……黒井社長を敵に回しちまって追われてるのに」

悪徳「こんな所で!!」

スパイク「残念だったな。あんたもお終いさ、観念するんだな」

悪徳「な、なにィ!? な、何故ここが……」


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 19:54:39.49 ID:bMjGNJQG0

スパイク「俺の相棒があんたの薄汚いバイ菌にかかっちまったんでな」

スパイク「ちょっとばかし、他人の相棒と手を組んだってわけさ」

スパイク「マシンよりも、鼻の効く相棒にな」

悪徳「くっ……!」

響「スパイク! 自分、信じてたぞ!」

スパイク「悪いな、今は俺は響に用があるんじゃないのさ。
      そっちの首にかかった賞金に用があるんだよ」

響「え?……賞金?」


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 19:57:06.53 ID:bMjGNJQG0

悪徳「チィッ! やっぱりあんた、賞金稼ぎだったか!」

スパイク「だとしたら、どうする?」

悪徳「う、動くなよ! 動いたら! この餓鬼にウイルスぶち込んでやるからな!」

響「ひぃっ!? た、助けて……スパイク……!」

スパイク「言ったろ? あんたはお終いなんだって」

スパイク「それに、俺は響には用はない。だからやりたきゃやれ」

悪徳「な、なにぃ!?」

響「……!? そ、そんな……」

スパイク「だけどなぁ……俺以外は許さないと思うぜ?」


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 19:58:36.07 ID:bMjGNJQG0

へび香「シャーーー!」ガブッ

悪徳「い、いでえええ!? な、なんだぁ!?」

いぬ美「バウッ!」ガブゥッ


悪徳「あああああ!!」

響「へび香!? いぬ美!?」


悪徳「は、離せ! くそ!」

ねこ吉「ニャー!」ガリガリッ

悪徳「ぎゃあああああ!」


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 20:02:13.69 ID:bMjGNJQG0

ハム蔵「ヂュイイイ~~!」ドガッ

悪徳「ぐふぅ!? こ、こいつらいつの間に!?」

スパイク「俺に気を取られているうちに背後に回ったのさ」

いぬ美「バウッ!」ガブッ

悪徳「ぎゃああーーーっ!」

ワニ子「…………」ギロッ

悪徳「ひっ!? ひぃいいいい!?」

悪徳「や、やめろ……やめてくれぇぇえ!!」

悪徳「あぁぁああ~~~…………」ドサッ


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 20:08:03.17 ID:bMjGNJQG0

スパイク「響、大丈夫か!」

響「す、スパイク……うぅ、うわぁぁああん!」

スパイク「悪かったな、遅くなって」

スパイク「大丈夫だ。もう安心しろ」

響「……うぅ、うぐっ、自分……怖かったぞ」

スパイク「ああ、さあ、帰ろう……フェスが始まっちまう。最高のショーを見せてくれ」

響「……うん! でもここからじゃ間に合わない……」

スパイク「心配するな。すぐになんとかする」

ジェット「おーい、スパイク!」

スパイク「よお、遅かったな。こいつの身柄は頼んだぜ。
      おっと、言っとくが賞金は俺のものだからな?」


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 20:11:42.81 ID:bMjGNJQG0

ジェット「あぁ、俺は構わんが……フェイの野郎は何を言うかわからんぞ」

スパイク「放っておけ。それより、アレ、ちょっと借りるぜ」

スパイク「着いてきな、響。それとお前たちもだ」

いぬ美「バウッ!」

ハム蔵「ヂュイッ!」

ゾロゾロ……

響「え!? えぇぇ!? ま、まさかこれで飛んで行くの!?」


ジェット「お、おい! それは俺の! 待て、そいつがねえとこの身柄を連行できねえぞ!?」

ジェット「おい、スパイクーーー!」

ジェット「…………くそ、行っちまいやがった。……ったく」


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 20:17:22.95 ID:bMjGNJQG0

――フェス会場――


『我那覇響さんはご都合上、フェスへの出場を辞退し……』


響「ちょっと待ったーーーー!」



「な、なんだあれ!? 上からマシンが!?」
「おい、アレ見ろよ! 中から誰か出てきたぞ!」


響「はいさーい! みんなー! 遅れてごめんなさい!」

響「今日は自分の大好きな動物達と一緒にパフォーマンス決めるぞ!」

響「曲は! Brand New Day!」



…………
……



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 20:20:22.51 ID:bMjGNJQG0

――数日後、ビバップ号――


ジェット「事務所の修理代で賞金もパーだ。また貧乏暮らしだな、スパイク」

スパイク「あれは俺の賞金なんだから別にいいだろ」

フェイ「ふぅーん。案外名残り惜しかったりして?」

スパイク「けっ。なわけあるか。あんな場所に閉じ込められて、
      ずっといっしょにいさせられて、お守りなんて御免だぜ」

フェイ「あら、案外似合ってたわよ? お守り」

エド「わーい、お守り~! あははは」

アイン「ワンッ!」

スパイク「チッ、こいつらを見てるとあっちの餓鬼共とケダモノのがましに思えてくる」

ジェット「……同感だ」


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 20:23:55.28 ID:bMjGNJQG0

ジェット「ん? スパイク? なんだそれは?」

スパイク「あぁ、これか? 新しく出すCDだとよ」

ジェット「もらったのか?」

スパイク「持ってけってうるさいからな」

ジェット「曲のタイトルは?」

スパイク「……”いっしょ” ……だとよ」


http://www.youtube.com/watch?v=2lzKWxeAOjU




END


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 20:26:25.11 ID:K61DuWgH0

意外と合うもんだな



89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 20:27:18.73 ID:bMjGNJQG0

短いですが、終わりますね。
ありがとうございました。


90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/16(日) 20:34:53.57 ID:UjJ3lxCe0


楽しかったよ

天国への階段しか見てないけど


引用元: スパイク「765プロでプロデューサー!?冗談じゃねえぞ!」