3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:57:17.31 ID:W/68nRY40

―――ある冬の日の朝・765プロ事務所―――

ガチャッ
貴音「お早う御座います」

美希「おはようなの…あふぅ」

小鳥「おはよう、貴音ちゃん、美希ちゃん。今日も朝早くから、大変ね~」

貴音「今度のらいぶは、わたくし、美希、響の三人ゆにっとで臨む初めての舞台…全力で取り組まねばなりません」

美希「ミキ的には、もうレッスンは十分だって思うな~」

小鳥「ふふっ、ライブは三日後!ラストスパートがんばってね!っと、電話が…」トゥルルルル

小鳥「はい、765プロでございます…あっ響ちゃん?うん…うん…えっ!?」

小鳥「わかったわ…こっちは大丈夫だから、安静にするのよ?また、連絡するから…」ガチャ

貴音「小鳥嬢、会話から大体の事情はつかめてしまいましたが、もしや…」

小鳥「ええ…響ちゃん、カゼをひいてしまったらしいの」

美希・貴音「!!」


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:58:28.82 ID:W/68nRY40

貴音「響…」

美希「あふぅ、どーすんの?」

小鳥「外回り中のプロデューサーには私が連絡するわ…とりあえず、今は二人でレッスンに向かってくれる?」

小鳥「響ちゃんならきっと大丈夫、心配いらないわ」ニコッ

貴音「…」

貴音「……了解しました、行きますよ、美希」グイッ

美希「えー、今日は休みにするのー、レッスンいやなのー」ズルズル

小鳥「さて…どうしましょうか…」


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:59:39.14 ID:W/68nRY40

―――その日の夜・765プロ事務所―――

ガチャ
美希「レッスン終わったのー、ミキ疲れたのー」グッタリ

貴音「今日もまた、まこと素晴らしいれっすんが出来ました」

貴音(響がいないことを、除けばの話ですが…)

P「二人とも、お疲れ様!早速だけど、大事な話がある」

美希・貴音「!」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:00:59.31 ID:xPKehahd0

響なら俺が27時間看病してやるさ


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:01:23.60 ID:W/68nRY40

P「もう知っていると思うが、響がカゼをひいて寝込んでいる。それで今日のレッスンは休ませた」

貴音「ひ、響の容態は、如何なのですか!?」

美希「ねぇプロデューサー、響ライブに出られないの!?」

P「お、落ち着け二人とも!響なら心配ない、すでに熱も下がってきてる」

P「ただ、ステージで歌って踊って、となると話は別だ…少なくとも明日までは休ませて、明後日のリハーサルで様子を見ないことには、何とも言えないな」

貴音「では、今響は…?」

P「響には、家で安静にするよう言ってある。ペットたちは動物番組でお世話になっているブリーダーさんのもとで一時的に預かってもらっているから、しっかり休めるだろう」

貴音「…!」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:02:23.44 ID:W/68nRY40

美希「響、いっつも元気なイメージだから、ぐったりしてるトコが想像できないの」

P「そうだな…早く元気になるといいが」

貴音「……ぷろでゅーさー」

P「ん?どうした、貴音?」

貴音「明日の午後のれっすんを、きゃんせるしても宜しいでしょうか?」

美希・P「!?」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:04:11.29 ID:W/68nRY40

P「貴音、何を言ってるんだ!?いきなりそんな…」

美希「! ミキには貴音の考えてること、わかったの!」

P「? どういうことだ?」

貴音「わたくし達が響を」美希「看病するのー!」

P「!!」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:05:23.99 ID:W/68nRY40

貴音「響はぺっとの皆を家族として親しんでいます。仕方のないこととはいえ、家族と離ればなれとなった今の響の心中は、想像するだけで…」

貴音「わたくしの胸が張り裂けるようです!!!」カッ!!!

P「貴音…気持ちはわかるが、看病しに行くのは何もお前たちじゃなくたっていいだろう?俺も明日、様子を見に響の家に行くつもりだったし…」

美希「じゃあ、プロデューサーは、響がお風呂に入れてほしいって言ってきたらどうするつもりなの?」

P「!?」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:07:54.30 ID:W/68nRY40

貴音「そうですよ、時には女同士でなければ不都合が生じることもあるのです」

P「そ、それはそうかもしれないが…」

美希「それに、プロデューサーは明日も一日中外回りで忙しいんでしょ?それじゃ十分に看病できるとは思えないの」

P「う…だが、看病なんぞしてお前たちにもカゼがうつったりしたら…」

貴音「もとより、三日後のらいぶに響が出られなければ、私たちの努力は水泡に帰します…響のいない私たちなど、有り得ません」キリッ

美希「ミキも、そう思うな。響の代わりなんてありえないってカンジ」

P「う…確かに、今からライブを成立させるには響なしでは…」

貴音「お願いします、ぷろでゅーさー」

美希「ミキも、おねがいするの!プロデューサー!」

P「うーん……」グヌヌ


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:09:16.01 ID:W/68nRY40

ガタッ
P「よし、わかった!!お前たちの絆を信頼する!ただし、無理はするんじゃないぞ!」

貴音「! 有り難う御座います!」

美希「そう言ってくれると思ってたの!あはっ☆」

P(この選択が正しいのかはわからないけど…今の二人に、何言っても無駄だよな)

P「じゃあ、響の家の地図を渡しておくから…」

貴音「それには及びません、存じております」

P・美希「えっ!?」

貴音「…以前一度だけ夕食に招かれたのです」フフッ

P「あ、そうなのか…じゃあ、頼んだぞ、二人とも」

貴音「はい!」美希「はいなの!」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:10:50.04 ID:W/68nRY40

―――翌日・響のマンションの前―――

貴音「このまんしょんですよ、美希」

美希「へー、なかなかに綺麗でいいマンションなの!」

貴音「さて…この、おーとろっくという面妖な門番が難関なのです…」ゴクリ

貴音「部屋番号を入力し…こーるを押す…」ピポポ

ガチャ
響『はいさい…自分我那覇ひび…ってうわあ!貴音!美希!』

貴音「成功です!美希、わたくしはやりましたよ!」

美希「貴音、すごいのーさすがなのー」パチパチ


21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:12:10.27 ID:W/68nRY40

響『プロデューサーが言ってた話、冗談だと思ってたぞ…』

貴音「寂しかったでしょう、響。もう大丈夫ですよ」

美希「おにぎりも、いーっぱい買ってきたの!」

響『じ、自分、寂しくなんて…ない…ぞ!早く部屋に来るさー!』ガチャッ

美希「実に響らしいの」

貴音「素直じゃないところも、響の可愛らしいところですよ」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:13:53.21 ID:W/68nRY40

―――響の部屋の前―――

貴音「さあ、この部屋ですね…」

貴音「たのもう!!」ピンポーン

美希「貴音はいつも全力なの」

ガチャ
響「よく来たな、二人とも…じゃなくって!まったく、レッスンサボって来るなんて、ダメじゃないか!それに、カゼがうつるかも…」

美希「はいはい、強がりはいいの~」

貴音「思ったより元気そうで何よりです、響」

響「もー!ほら、さっさと上がるさー!」

貴音「お邪魔します」美希「おじゃまするの~♪」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:15:17.21 ID:W/68nRY40

美希「響の部屋、結構きれいなんだね~!」

響「そうか?昨日から寝てばっかりで散らかし放題だぞ…」

貴音「確かにこの前よりは散らかっているように思いますね」

響「! もう、貴音!あのときの話はダメだぞ!」

貴音「ふふ…分かっていますよ、わたくしの心に秘めておきますね、響」

響「うー…///」

美希(あふぅ、やれやれなの)


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:17:01.09 ID:W/68nRY40

貴音「早速ですが響、お腹が減ってはいませんか?」グー

響「自分を気遣ってるみたいな感じだけど、貴音がお腹減ってるだけじゃないか…?」

美希「おにぎり食べるのー!」

響「でも確かに、昨日のお昼から何も食べてないし、お腹減ったかも…」

貴音「食欲があるというのは、まこと良いことです。回復も近そうですね」グーグー

美希「じゃあ早速料理を開始するの!貴音、しゅつどーなの!」

響「あれ、今から作るのか?おにぎりがあるんじゃ…?」

貴音「病人には、もっと滋養の付くものをと思いまして…ふふっ」

響「ま、まさか!!」

貴音「そうです、わたくしの大好物であるとんこつらぁめんを…」

響「!!」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:18:59.61 ID:W/68nRY40

貴音「と、思いましたが、やはりここは消化の良い卵粥をご馳走しますね」ニコッ

響「よ、よかったぞ…」

美希(貴音がスーパーで真っ先にラーメンをカゴに入れたことは黙っておくの)

響(貴音の手料理が食べられるなんて、風邪ひいてちょっと得したぞ…なんてね///)

貴音「さぁ、四条流料理術をとくとご覧あれ!」ザクザク

響(でもちょっと心配だぞ)


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:20:09.79 ID:W/68nRY40

―――数十分後―――

ゴトッ
貴音「完成です!さあ、ご賞味あれ!」バァーン

響「うわぁ…美味しそうだぞ!」

美希「ミキは待ちくたびれて腹ペコなのーー」グーグー

響「じゃあ、いただきます!」ミキモイタダキマスナノー

パクッ
響「!」

貴音「ど…どうですか?」ドキドキ

響「でーじ、まーさんどー!!」

美希「な、何を言ってるかはわからないけどとっても喜んでるの!」モグモグ

響「今のは、『とってもおいしい』って意味のうちなーぐち(沖縄ことば)さー!」

貴音「喜んでもらえて嬉しいです、響」ニコッ


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:21:33.50 ID:W/68nRY40

―――食後―――

美希「お腹いっぱいなの~、あふぅ」ゴロン

貴音「美希、後片付けは頼みましたよ」

美希「はーいなの…」トボトボ

響「ごちそうさま、ありがとうな二人とも!」

貴音「お粗末さまでした」

響「うーん、なんだかすっごく調子が良くなってきた気がするぞ!」

響(…やっぱり、誰かがそばにいると、心強いな…)

貴音「ところで響、おそらくこの二日はお風呂にも入っていないでしょう?体を布で拭いてほしい、といった要望はありませんか?」

響「!?」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:23:03.92 ID:W/68nRY40

響「い、いいよそんなこと!!」アセアセ

貴音「そうですか?遠慮は無用ですよ?」

響「え、遠慮じゃなくて…そ、そんなこと、いくら貴音が相手とはいえ、恥ずかしい…よ///」

貴音「そういうなら、仕方ないですね…ではせめて、着替えだけでも手伝いましょう」スック

響「わーー!だから恥ずかしいって言ってるだろー!」

貴音「こら!そんな我が儘を言ってはいけません!汗をかいたら肌着はすぐに着替える、これは定めなのです!」

響「うぎゃー!!自分でやるってばー!」ドタバタ

美希(とんだ痴話喧嘩なの)アライモノメンドクサイノ


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:24:55.86 ID:W/68nRY40

―――夕方―――

美希「それでね、プロデューサーは誘拐犯と間違われて警察に連れて行かれちゃったの!」

響「あはは!その話、めちゃおもしろいぞ!」

貴音「ふふ、やはりこの三人でがぁるずとおくなるものをすると、時間を忘れてしまいますね」

美希「うん!だってすっごく仲良しさんだから!ね、響!」

響「そうだぞ!この三人はカンペキなユニットさー!」

貴音「しかし、今日はあまり長居をしてはいけません。そろそろおいとま致しましょう、美希」

響「えっ、もう帰っちゃうのか…?」

美希「そうだね、響はそろそろ寝たほうがいいの!」

響「うっ…でも、でも…」ジワッ

響「自分、もっと二人と一緒に居たいぞ…」グスッ

貴音「響…」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:26:08.74 ID:W/68nRY40

響「ハム蔵も、イヌ美も、みんながいなくなって、寂しかった…自分は一人ぼっちだって…」

響「だから、二人が来てくれたときはすっごく嬉しくて…一人じゃないんだって…」ボロッ

響「また一人にしないでよ…お願い…」ボロボロ

美希「響…」

ファサッ
貴音「響、大丈夫ですよ」ギュッ

響「!!」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:27:51.83 ID:W/68nRY40

貴音「響は一人ぼっちなどではありません。いつも応援してくださるふぁんのことを忘れましたか?」

貴音「765ぷろの仲間はどうです?社長も、小鳥嬢も、ぷろでゅーさーも、響のことを心配していましたよ」

貴音「そして家族… 動物の家族も、故郷の家族も、いつだって響のことを大事に思っているはずです」

響「…」グスッ

貴音「何より、ゆにっとの私と美希がいます。忘れましたか、私たちは三人で一つと誓ったはずです」

響「…! 貴音…!」ゴシゴシ

美希「ミキね、響が呼んでくれたら、貴音と一緒にばびゅーんって飛んで行っちゃうよ!だから一人じゃない、って思うな!」ニコッ

響「美希…!」


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:28:49.06 ID:W/68nRY40

貴音「ほら響、あなたは『カンペキ』なんでしょう?今からぐっすり寝て、明日は万全な体調でらいぶのりはーさるに臨まなければいけないのでは?」

ゴシゴシ
響「…うん!自分、カンペキだからな!」ニコッ

美希「それでこそ響なの!」

響「でも、ひとつだけお願いしても、いいかな…?」

貴音「もちろんですよ、響」ニコッ

響「じゃ、じゃあ…自分が眠るまでは、二人ともそばにいてくれるか…?」

美希「あはっ☆ 響、かわいいのー!」

貴音「いいですよ。ふふっ…響は甘えん坊ですね」

響「うー、二人とも、からかわないでよ///」

貴音(響は本当に可愛らしいですね)


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:30:16.29 ID:W/68nRY40

貴音・美希「おやすみなさい(なの)、響」

響「おやすみなさい、美希、貴音……」

響(自分、幸せだぞ…)

響(本当に、本当に、ありが…と…)

響「zzz…」

美希「すぐ寝ちゃったの」

貴音「ふふ…かわいらしい寝顔ですよ、響」

響「zzz…」


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:32:32.30 ID:W/68nRY40

―――翌日の朝・765プロ事務所―――

カツカツ
貴音(響は、元気になったでしょうか…)

ガチャ
貴音「お早う御座います」

美希「あ、貴音~おはようなの、あふぅ」

貴音「美希、お早う。響はまだですか?」

美希「あ、響なら…」

響「貴音~~!!遅いぞ!」ダッ

貴音「響!」パァッ


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:34:16.98 ID:W/68nRY40

貴音「体調はもう大丈夫ですか?」

響「うん!あれくらい自分にとったらなんくるないさー!あはは!」

響「あ、ハム蔵たちなんだけど、なんとブリーダーさんのもとを脱走して今朝自力でうちに帰ってきちゃったんだ!」

響「まったく、自分がいないとご飯も食べないなんて、困ったもんだぞ!あはははは!」

美希「まったく、実に響らしいの」

貴音「安心しました…よかったですね、響」

響「本当にありがとな…美希、貴音…」

貴音・美希「どういたしまして(なの)!!」


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:36:31.34 ID:W/68nRY40

ガチャ
P「お!貴音も来たな!よし、じゃあ今日は全員揃ってリハーサルだぞ!リハーサル!」

響・美希・貴音「はい!!!」

響「体がうずうずしてるさー!今ならどんなダンサブルな曲でも…」

P「おっと、病み上がりで無茶するんじゃないぞ!」

響「ちぇーっ、プロデューサーのケチ!」

響(自分、我那覇響!大切な家族と心強い仲間がいるから、今日も自分はカンペキさ―!)


Fin


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:37:17.46 ID:W/68nRY40

みんなに愛される幸せな響と、友達以上恋人未満なひびたかが書きたかった
読んでくれた皆さんに心よりの感謝を


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:37:54.87 ID:/7UsbJLo0




43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 01:39:08.10 ID:gWWMzoR20

ライブ見たかったなぁ(チラッ


引用元: 貴音「わたくし達が響を」美希「看病するのー!」